Aizu-Progressive xr Lab blog

会津大学のVR部であるA-PxLの部員が持ち回りで投稿していくブログです。部員がそれぞれVRに関する出来事やVRにちなんだことについて学んだことを書いていきます。

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大学のモーションキャプチャを触ってみた その一

ブログ記事を見なくなって久しい会津大学OBの平川です。

大学を卒業し、老害社会人になり、モーションキャプチャ関係の知識が増えたので、 大学のモーションキャプチャシステムであるViconを夏*1に五日間ほど触ってみました。

それについての所感やフローをつらつらと書いていこうと思います。その三ぐらいまでは続くかもしれません。

さて、この記事についてですが、 画像は一切ありません。*2

完全に手探りだったのですっかり忘れていました。本当に申し訳ない。

今回使われるハードであるViconですが、一部界隈ではいちからが導入したことで有名になったかもしれません。

ついでにVicon社の代理店、クレッセント社のサーバーがダウンしたとかなんとか。そりゃ想定しとらんわ。

モーションキャプチャについて

このブログを見ている方々ならモーションキャプチャに関する知識を持っている方のほうが多いかもしれませんが、分からない方のためにもモーションキャプチャについての解説から入ります。 まず、モーションキャプチャシステムには光学式慣性式の二種類が存在します。

Viconは前者の光学式に該当します。光を反射する球を体中につけるやつです。映画のメイキング見たら映ってるかと。 他にはoptiTrackとかがありますね。*3

次に慣性式、こちらは一時期結構な話題になったNeuronが有名ですね。他に有名なのはMVNでしょうか。MVNはCGWorldによく載っているイメージ。*4

これら二つの特徴をそれぞれまとめると以下のようになります。

光学式

  • 全身に反射材(マーカー)をつけてそこから動きを計測する
  • 精度高め(マーカーが隠れない場合に限る)
  • 広い場所が必要(カメラで撮るので)
  • 値段が高い

慣性式

  • 全身に磁気・慣性センサーをつけてそこから動きを計測する
  • 精度低め(計算しているフレームの間の加速度が考慮できないためずれる)*5
  • 比較的狭い場所でも撮れる
  • (光学式と比べて)値段が安い

基本的には光学式のほうが精度も値段も高いです。カメラ一個分でNeuron幾つ買えるんだ...*6

そんなわけで、大学内に光学式モーションキャプチャを持っている会津大学はゲームを作りたがる人が多い理工系の大学の中ではかなりのアドバンテージを持っているといっても過言ではありません。

光学式モーションキャプチャが大学にあるが使う機会や場面がなく、でも気になっているような大学生の参考になればいいかと思います。会津大学以外にあるのかは知りませんが。

キャプチャする前の準備編

モーションキャプチャを撮っていくにあたっての準備から入っていきます。 まずはViconカメラを起動し30~60分ほど温めます。その間にやれることはほぼ無いです

モーションキャプチャーソフト等から保存先ディレクトリを決めておくぐらいでしょうか。今回の場合はViconNexusのDataManagementから CreateDataBase→Project→CaptureDay→Sessionの順で作成できました。セッションフォルダにキャプチャしたデータが保存されます。残りの時間は掃除でもして待ちましょう。

https://docs.vicon.com/display/Nexus29/Prepare+a+data+storage+location

掃除も終わり、キャプチャする空間がきれいになったら、その状態でも反射してカメラに入ってくる赤外線を無視するためにマスクを掛けます。これによって誤作動を起こす可能性を減らします。

マスクを掛け終わったらワンドと呼ばれる棒を振りまくって空間をキャリブレートします。このワンドと呼ばれる棒には正確な距離、角度でマーカーが配置されており、それらがモーションを撮るときの基準になります。

なので基本的にワンドでなければなりません。まんべんなく振りましょう。

キャリブレーションが終わった後、ワンドを使って正面方向を決めます。今回は地面に差し込む溝がありそこに挿すだけでした。

これらの作業が終わればマーカーを認識できる空間の出来上がりです。*7

https://docs.vicon.com/display/Nexus29/Calibrate+a+Vicon+system

というわけで早速スーツを着ていくわけですが、

スーツが臭い

ただただスーツの臭いがひどく*8、これを人様に着させたくなかったのでスーツを洗濯することで初日は終了になりました。

前解説から空間のキャリブレーションまででずいぶん長さになってしまったので、その一はこの辺で終わりにしようと思います。ラベリング→収録ぐらいまでができればと思います。

その二をお待ちください。

*1:随分と立っていますがご容赦ください。

*2:後々画像でも拾って追加していこうと思っています。

*3:ある意味HTCViveも光学式と呼べるかもしれません。

*4:そしてOculusQuestは慣性式に該当するのかなと思っています。

*5:そこまで補間が可能なものが存在していたらすみません。

*6:数十個は買えそう...

*7:今回はset floor planeという厳密に平面を取る作業は省きます。ここにツッコミを入れる方なら熟知しているでしょう。

*8:少なくとも私は反射的に顔を背けました。

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